採点のポイント

平成17年設計課題 防災学習のできるコミュニティ施設

平成17年の一級建築士「設計製図の試験」は、受験者18,322人、合格者5,548人、合格率は30.3%という結果が出ました。この一年、誘惑に負けず懸命に努力された方だけが手にできる栄冠です。新に5,548人の一級建築士誕生、おめでとうございます。

採点は4段階、T、U、V、Wに区分され、ランクTが合格です。
 ランクT:「知識及び技能」を有するもの
 ランクU:「知識及び技能」が不足しているもの
 ランクV:「知識及び技能」が著しく不足しているもの
 ランクW:設計条件・要求図面等に対する重大な不適合に該当するもの
 *「知識及び技能」とは、一級建築士として備えるべき「建築物の設計に必要な基本的かつ総括的な知識及び技能」をいう。

各採点ランクの割合は、T:30.3%、U:14.9%、V:11.1%、W:43.7% と発表されました。

採点のポイント 平成17年設計課題 防災学習のできるコミュニティ施設
(1) 計画一般
(敷地の有効利用、配置計画、ゾーニング、動線計画、各部門・各室の計画等)
(2) 設計課題の特色に応じた計画
@ 新設部と既存部との一体的な平面計画・調和のとれた立面計画
A 防災学習部門、集会・生涯学習部門及び共用・管理部門のゾーニング・動線計画
(3) 構造・設備に対する理解
(4) 設計図書の表現
(5) 設計条件・要求図面等に対する重大な不適合
@ 要求図面のうち1面以上欠けるもの、又は面積表が完成されていないもの
A 新設部が「ラーメン構造による鉄筋コンクリート造(一部を鉄骨造としてもよい。)、地上2階建」でないもの
B 図面相互の重大な不整合(上下階の不整合、階段の欠落等)
C 新設部及び既存部の床面積の合計が「1,800u以上、2,300u以下」でないもの
D 「所要室」及び「その他の施設」のうち、次のいずれかの室又は施設が計画されていないもの
防災学習室、地震体験室、煙体験室、防災シアター、展示ホール、集会室、調理実習室、和室、工作室、喫茶室、エントランスホール、管理事務室、災害用備蓄倉庫、電気・機械室、多目的広場、便所(全くないもの)
E 既存部の主要構造部を撤去(設備配管用の小開口は除く。)したもの
F 新設部に乗用エレベーター(1基)が計画されていないもの
G その他設計条件を著しく逸脱しているもの(多数の室・施設の欠落等)
※ 一級建築士「設計製図の試験」合格発表 JAEIC より
  財団法人建築技術教育普及センター(JAEIC)


JAEICによる「設計製図の試験」標準解答例の公表

”標準解答例は、試験の透明性を高めるとともに、建築士を志す者に対して、習得すべき知識及び技能(一級建築士として必要な「建築物の設計に必要な基本的かつ総括的な知識及び技能」をいう。)の目安を示す資料として、当センターに設置された試験委員会で作成されたものです。なお、標準解答例は、合格水準の標準的な解答例を示すことを意図したものです。”とコメントされています。図面の精度・表現方法など参考にする点が多くあります。家具や設備機器の記入密度、特定防火設備の表現などは、この解答例を目安にすることができます。また、採点のポイントに示されたように、敷地の有効利用、配置計画、各部門のゾーニングと動線計画、周辺環境の配慮に重きを置いた採点がされるていることも推察できます。
(JAEICの解答例は、平成18年7月下旬まで掲載予定とされています。)

  財団法人建築技術教育普及センター(JAEIC)


平成17年一級建築士「設計製図の試験」課題発表 7/24(日)
  今年の課題「防災学習のできるコミュニティ施設」について









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