採点のポイント

平成16年設計課題 宿泊機能のある「ものつくり」体験施設

平成16年の一級建築士「設計製図の試験」は、受験者16,313人、合格者5,470人、合格率は33.5%という非常に厳しい結果が出ています。


採点は4段階、T、U、V、Wに区分され、ランクTが合格です。
 ランクT:「知識及び技能」を有するもの
 ランクU:「知識及び技能」が不足しているもの
 ランクV:「知識及び技能」が著しく不足しているもの
 ランクW:設計条件・要求図面等に対する重大な不適合に該当するもの
 *「知識及び技能」とは、一級建築士として必要な「建築物の設計に必要な基本的かつ総括的な知識及び技能」をいう。

各採点ランクの割合は、T:33.5%、U:12.1%、V:18.5%、W:35.9% と発表されました。


採点のポイント 平成16年設計課題 宿泊機能のある「ものつくり」体験施設 
(1) 計画一般
(敷地の有効利用、配置計画、ゾーニング、動線計画、各部門・各室の計画等)
(2) 設計課題の特色に応じた計画
@ ものつくり体験部門、宿泊部門及び共用・管理部門のゾーニング・動線計画
A 敷地周辺の環境に配慮するとともに地域に開かれた施設の計画
(3) 構造・設備に対する理解
(4) 設計図書の表現
(5) 設計条件・要求図面等に対する重大な不適合
@ 要求図面のうち1面以上欠けるもの、又は面積表が完成されていないもの
A 「ラーメン構造による鉄筋コンクリート造(一部を鉄骨造としてもよい。)、地上3階建」でないもの
B 図面相互の重大な不整合(上下階の不整合、階段の欠落等)
C 床面積の合計が「2,200u以上、2,600u以下」でないもの
D 「所要室」及び「その他の施設」のうち、次のいずれかの室又は施設が計画されていないもの
展示ホール、木工工房、機織工房、陶芸工房、研修室、宿泊室(1室でも欠落しているもの)、レストラン、浴室(2室とも欠落)、エントランスホール、管理事務室、電気・機械室、ものつくりプラザ、屋外自由通路(計画範囲外にあるもの)、便所(全くないもの)
E 利用者用の乗用エレベーター(1基)、又はサービス用エレベーター(1基)が計画されていないもの
F その他設計条件を著しく逸脱しているもの(多数の室・施設の欠落等)
※ 一級建築士「設計製図の試験」合格発表 JAEIC より
  財団法人建築技術教育普及センター(JAEIC)


JAEICによる「設計製図の試験」標準解答例の公表

”標準解答例は、試験の透明性を高めるとともに、建築士を志す者に対して、習得すべき知識及び技能(一級建築士として備えるべき「建築物の設計に必要な基本的かつ総括的な知識及び技能」をいう。)の目安を示す資料として、当センターに設置された試験委員会で作成されたものです。なお、標準解答例は、合格水準の標準的な解答例を示すことを意図したものであり、設計課題の与条件を全て充足した完全な解答例ではありません。”とコメントされていますが、図面の精度・表現方法など参考にする点が多くあります。家具や設備機器の記入密度、特定防火設備の表現などは、この解答例を目安にすることができます。また、採点のポイントに示されたように、敷地の有効利用、配置計画、各部門のゾーニングと動線計画、周辺環境の配慮に重きを置いた採点がされるていることも推察できます。
(JAEICの解答例は、平成17年7月21日(木)まで掲載予定とされています。)

  財団法人建築技術教育普及センター(JAEIC)

平成16年一級建築士「設計製図の試験」課題発表 7/25(日)
  今年の課題「宿泊機能のある「ものつくり」体験施設」について 









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